他にも、辛酸をなめた女はたくさんいる。惚れた男(藤本隆宏)に裏切られ、男性不信に陥った、女学校の英語教師(ともさかりえ)。
厳寒の北海道で牛馬以下の扱いを受けて、心がねじくれた妹のもも。まんまと軍国主義に乗っかって失敗した作家・宇田川満代(山川真歩)。といっても、彼女たちが決して不幸になっていないところがいい。

若い頃はいろいろあったけれど、最終的に女たちは和解し合い、手に手を取り合う。最終回に向かって、この「女の緋と友情」を強調したことで、主題を忘れずに視聴者の心に響かせたなあと思う。そうそう、忘れてはいけない。私が最も気になっていた人物・醍醐さん(高梨臨)である。蓮子の不倫駆け落ち大恋愛というヤマ場が終わった後は、醍醐さんの行く末ばかりが心配だった。
考えてみれば、醍醐さんも報われない女だった。花子と幼少時からの大親友と自負する割に、花子はエキセントリックな蓮子に夢中。いつの間にか「腹心の友」になったふたりに、さぞかし嫉妬したことであろう。
女学校時代はジュリエツト役を蓮子にとられるわ、好いた男・村岡を花子にとられるわ、良家のお嬢様なのに親から勘当されて住むところを失うわ、よくもまあ負の感情に侵されずに、明るい笑顔で過ごせたなと。